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留学について

留学記

岩間映二先生

[所属]
U.S.A.: Georgetown University, Lombardi Comprehensive Cancer Center
[専門分野]
肺癌

私は2016年7月から米国、ワシントンDCのGeorgetown University, Lombardi Comprehensive Cancer Center, Dr. Giaccone's laboに留学をし、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤に対する耐性メカニズムに関する研究を行っております。

DCでの生活はとても快適です。ワシントン DCは言わずと知れた米国の首都であり、付近にはホワイトハウス、ペンタゴンの他、歴史的建造物が多数存在し、趣のある街並みとなっております。街としてはそんなに大きくなく、地下鉄やバスが整備されているので車が無くても十分生活できる環境です。Georgetown UniversityのあるGeorgetownエリアはワシントンDCの北西部、ポトマック川沿いに位置し、ワシントンDCとバージニア州を結ぶKey bridgeのすぐ傍にあります。私のアパートはバージニア州にあり、Capital bikeというシェアカーならぬシェア自転車を使い、毎日このKey bridgeを渡って大学に通っています。Key bridgeから眺めるワシントンDCの街並み、Georgetown University、ポトマック川、ワシントンモニュメントは絶景であり、日々の気分転換にうってつけです。
ただ、床屋と冬の乾燥は厳しいものがあります。DCに来て一度だけ床屋に行きましたが、20ドルの価値無し、この切り方では1ヶ月もたないと一瞬で判断し、Amazonでバリカンを購入し、鏡で見ながら自分で刈ったら写真のように悲惨なことになりました。
本研究室は肺癌を中心とした基礎研究を行っております。近年、肺癌の領域は分子標的薬や免疫療法など多方面からの有効な治療法の開発が進んでおり、基礎研究と臨床研究の橋渡しが非常に重要となってきております。Georgetown University HospitalのLombardi Cancer Centerと連携し、次世代シークエンスを始めとした研究設備を利用してこの橋渡し研究に力を入れており、私もその一員として研究に励んでおります。
自身で手を動かして本格的に研究をするのは大学院の時以来、約7年ぶりであり、慣れない環境、苦手な英語などで最初はかなり戸惑っておりましたが、ラボの人たちが言うことは何となくわかってきましたし、大学院の時に染み付いた実験手技の感覚がようやく目覚めてきました。
~留学をおえて~
1年間の研究留学後、2017年7月に九州大学病院呼吸器内科に戻り、現在は臨床を行うとともに、主に大学院生の指導という形で研究に関わっております。大学院の時は生体防御医学研究所で基礎的なことをしっかりと学ぶことが出来たため、臨床に戻った後に、多方面からの見方が出来るようになったと感じておりましたが、留学をすることで自分の中でさらに臨床と研究の融合が可能になったのではないかと感じております。
留学先での研究は、大きなラボを除いて細胞の培養、遺伝子導入、薬剤負荷など、日本でも出来る研究ですが、色んな壁を乗り越えながら何かをつかもうとする経験は何にも替え難いものと思います。若い先生方は是非研究を、そして機会があれば留学を目指して欲しいと思います。
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