研究紹介

HOME > 研究紹介 > 臨床研究 > 【喘息・COPD】閉塞性肺疾患を有する患者と有しない患者由来の末梢気道細胞を用いた感染防御免疫応答の解析

研究紹介

【喘息・COPD】閉塞性肺疾患を有する患者と有しない患者由来の末梢気道細胞を用いた感染防御免疫応答の解析

臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院呼吸器科では、閉塞性肺疾患(気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)など)を有する患者さんと有しない患者さんを対象として、末梢気道の細胞を採取し免疫応答を調べる「臨床研究」を行っています。

 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、平成34年3月31日までです。

研究の目的や意義について

 気管支喘息やCOPDなどの閉塞性肺疾患は、細くなった気管支によって労作時の息切れが生じる慢性の病気です。細くなった気管支を拡張する薬や気管支の炎症を抑える薬を吸入することにより空気の通りを良くする治療法が一般的です。しかしながら治療により普段は病状が安定した気管支喘息やCOPDの患者さんでも、風邪(ウイルス感染)を引いた際などに急激に症状が悪化することがあります。これを「急性増悪」といいます。急性増悪をおこすと入院加療や長期のステロイド治療が必要となります。また急性増悪を繰り返すことにより、患者さんの肺機能はますます悪化します。
 気管支鏡検査時にあなたから採取した細胞を用いて、薬剤で処置した際やウイルス・細菌等で刺激した際の細胞の免疫応答等を詳細に調べる研究を行います。その場合、閉塞性肺疾患をお持ちの患者さんから採取した細胞と、お持ちでない患者さんから採取した細胞の免疫応答を比較することが非常に重要となります。この研究の最終的な目的は、ウイルスをできるだけ早期に排除する薬や、急性増悪を予防する薬を開発することです。

研究内容

【研究の対象者について】
 九州大学病院呼吸器科にて、気管支鏡検査を施行される患者さんが対象となります。3年間で120名(閉塞性肺疾患あり60名、閉塞性肺疾患なし60名)を対象とさせて頂く予定です。ただし、低酸素等により気管支鏡検査が安全に施行できない方はこの研究にご参加いただくことはできません。

【研究の方法について】
 この研究への参加に同意いただきましたら、カルテより下記の情報を取得します。また、気管支鏡検査の際に気管支擦過細胞を研究用に採取した後培養し、保存します。後にその細胞に薬剤の処置や、ウイルス等による刺激をおこない免疫応答を調べます。具体的にはフローサイトメトリー、リアルタイムPCR、cytometric bead assayまたはELISAなどを用いて解析し、測定結果と取得した情報の関係性を分析することで閉塞性肺疾患の有無により免疫応答に違いがあるか、また薬剤がウイルスの排除に有効であるかを評価します。
 〔カルテより取得する情報〕
 ・年齢、性別、身長、体重(BMI)
 ・生活歴(喫煙歴)、既往歴、アレルギー歴、呼吸器疾患に対する治療歴
 ・血液検査結果(CBC、白血球分画、CRP、総IgE、特異的IgE)
 ・血液ガス検査所見またはSpO2値
 ・肺機能検査所見
 ・呼気一酸化窒素濃度(FeNO)
 ・画像所見(胸部X線写真、胸部CT)
 ・原疾患名
 ・原疾患が腫瘍である場合、腫瘍の病理検査結果や病期
 ・原疾患に対する治療歴
 〔解析する項目〕
 ・共刺激分子・免疫チェックポイント分子等の発現
 ・ウイルス構成成分のmRNA、ウイルス量同定
 ・インターフェロン産生、サイトカイン・ケモカイン産生
 ・細胞のアポトーシス

個人情報の取扱いについて

 研究対象者の細胞を用いた測定結果、カルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者が特定できる情報を完全に削除して取り扱います。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した個人情報は、九州大学大学院医学研究院呼吸器内学分野・教授・中西 洋一の責任の下、厳重な管理を行います。

試料や情報の保管等について

〔試料について〕
 この研究において得られた研究対象者の気管支の細胞は、原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は九州大学大学院医学研究院呼吸器内科学分野において、同分野教授・中西 洋一の責任の下、5年間保存した後廃棄します。

〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は九州大学大学院医学研究院呼吸器内科学分野において、同分野教授・中西 洋一の責任の下、10年間保存した後廃棄します。

 また、この研究で得られた研究対象者の細胞や測定結果、カルテの情報等は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、研究対象者の同意がいただけるならば、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えております。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

研究に関する情報や個人情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所
 九州大学医学研究院臨床医学部門呼吸器内科学分野
 九州大学病院呼吸器科

研究責任者
 九州大学医学研究院臨床医学部門呼吸器内科学分野 教授 中西洋一

研究分担者
 九州大学医学研究院臨床医学部門呼吸器内科学分野 准教授 松元幸一郎
 九州大学病院呼吸器科 講師 福山 聡
 九州大学病院呼吸器科 医員 神尾敬子
 九州大学医学系学府医学専攻博士課程 大学院生 山本宜男

相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。

事務局(相談窓口)
担当者:九州大学病院呼吸器科 医員 神尾敬子
    九州大学医学研究院臨床医学部門呼吸器内科学分野 准教授 松元幸一郎
連絡先:〔TEL〕092-642-5378(呼吸器科医局)
   :〔FAX〕092-642-5382
メールアドレス:神尾敬子 hanamura@kokyu.med.kyushu-u.ac.jp
        松元幸一郎 koichi@kokyu.med.kyushu-u.ac.jp