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【肺がん】進行非小細胞肺癌に対するPD-1阻害薬投与後の化学療法の有効性や安全性を検討する後方視的多施設研究(WJOG10217L)

臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院呼吸器科では、現在非小細胞肺癌の患者さんを対象として、PD-1阻害薬投与後の化学療法の有効性や安全性に関する「臨床研究」を行っています。

 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、平成31年6月30日までです。

研究の対象者について

 九州大学病院呼吸器科において、進行期の非小細胞肺がんで、1次治療として細胞障害性抗がん薬が施行された患者さんのうち、2次治療として下記の治療をされた患者さんを対象にします。
・2次治療としてニボルマブ又はペムブロリズマブが施行され、その次治療として、2015年12月1日から2017年7月31日までにドセタキセル単剤療法、ペメトレキセド単剤療法、S-1単剤療法又はドセタキセルとラムシルマブの併用療法が開始された患者さん(5名)
・2次治療として2014年4月1日から2017年7月31日までにドセタキセル単剤療法、ペメトレキセド単剤療法、S-1単剤療法又はドセタキセルとラムシルマブの併用療法が開始された患者さん(5名)

 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

研究内容

【研究の目的や意義について】
  近年、人がもともと有する免疫力を利用した抗がん薬(抗体薬)である免疫チェックポイント阻害薬(PD-1阻害薬)が開発され、非小細胞肺がんに対して有効であることがわかってきました。このPD-1阻害薬であるニボルマブやペムブロリズマブは、既に非小細胞肺がんに対して保険承認されています。
このPD-1阻害薬による治療は、一度有効であったものの無効となることや最初から無効になることが知られており、その際は次の治療として従来の細胞障害性抗がん薬(ドセタキセル±ラムシルマブ、ペメトレキセド、S-1など)による治療を行う事が一般的です。また、PD-1阻害薬はその投与の終了後に数か月薬剤の影響が残ることが知られており、次の治療として行う従来の細胞障害性抗がん薬に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、PD-1阻害薬による治療が無効となった患者さんへの従来の細胞障害性抗がん薬治療の有効性や安全性は明確には分かっていません。
そこで本研究の目的は、PD-1阻害薬による治療が無効となり、その次治療として従来の細胞障害性抗がん薬治療を受けた非小細胞肺がん患者さん(試験群)に対して、PD-1阻害薬を受けずに従来の細胞障害性抗がん薬治療を受けた非小細胞肺がん患者さん(コントロール群)と比較することによって、その従来の細胞障害性抗がん薬治療の有効性や安全性を、患者さんの過去の診療録から得られた診療情報を基にして検討することです。

【研究の方法について】
この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。過去の通常診療で得られた臨床情報・診療情報をカルテより入手・収集し、各項目の関連性を統計学的手法により解析します。本研究で利用する情報は過去の通常診療で得られた項目のみであり、本試験に伴って新たに生じる身体への危険や不利益はありません。

〔取得する情報〕
性別、年齢、喫煙歴、主な既往歴/合併症、PS※1、転移部位、病理診断、EGFR遺伝子変異/ALK遺伝子転座の有無、PD-L1発現、臨床病期、治療内容、治療期間、PD-1阻害薬や細胞障害性抗がん薬の治療効果(無増悪生存期間、全生存期間、最良総合効果、有害反応、生存情報
※1 PS:Performance Status(患者の全身状態を日常生活動作のレベルに応じて0~4の5段階であらわした指標)
0: まったく問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える
1: 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。例:軽い家事、事務作業
2: 歩行可能で、自分の身のまわりのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。
3: 限られた自分の身のまわりのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。
4: まったく動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす。
WJOGデータセンターへ研究対象者の症例報告書を郵送にて送付し、詳しい解析を行う予定です。
他機関への情報の送付を希望されない場合は、送付を停止いたしますので、ご連絡ください。

個人情報の取扱いについて

 研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学病院呼吸器科のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院呼吸器内科学分野・教授・中西 洋一の責任の下、厳重な管理を行います。
 研究対象者のカルテの情報をWJOGデータセンターへ郵送する際には、九州大学にて上記の処理をした後に行いますので、研究対象者を特定できる情報が外部に送られることはありません。

試料や情報の保管等について

〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学病院呼吸器科において同分野教授・中西 洋一の責任の下、5年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

 また、この研究で得られた研究対象者の試料や情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

研究に関する情報や個人情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください

研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所
 九州大学病院呼吸器科

研究責任者
 九州大学病院呼吸器科 診療准教授 岡本勇

研究分担者
 九州大学病院 呼吸器科 助教 田中謙太郎
 九州大学大学院医学研究院 九州連携腫瘍講座 助教 岩間映二
 九州大学病院 呼吸器科 助教 米嶋康臣
 九州大学病院 呼吸器科/がんセンター 助教 大坪孝平
 九州大学病院 呼吸器科 臨床助教 大田恵一
 九州大学大学院医学研究院 形態機能病理学 教授 小田義直

共同研究施設及び試料・情報の提供のみ行う施設
(施設名/研究責任者の職名・氏名)
 ○総括
 ①西日本がん研究機構(West Japan Oncology Group)/理事長・中川和彦
 ②和歌山県立医科大学 内科学第三講座/教授・山本信之
 ③近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門/講師・林 秀敏,助教・加藤了資
 ○解析
 ④近畿大学医学部附属病院臨床研究センター/准教授・千葉康敬
 ○情報の収集
 西日本がん研究機構(WJOG)に所属する多施設(2017年10月時点9施設)
 (施設一覧掲載URL:http://www.wjog.jp/hospital-list.php)

相談窓口について

 この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。

事務局
(相談窓口)担当者:九州大学病院 呼吸器科 助教 田中謙太郎
連絡先:〔TEL〕092-642-5378(内線5378)
   :〔FAX〕092-642-5382
メールアドレス:tanaka-k@kokyu.med.kyushu-u.ac.jp