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肺分子免疫学研究室(びまん性・感染症)

研究活動

喫煙関連呼吸器難病に対する前向きコホート研究

最も力を入れている「喫煙関連呼吸器難病に対する前向きコホート研究(肺の生活習慣病コホート研究)」ですが、お陰様で目標例数の1000例を達成し、2016年4月30日をもって新規登録を締め切らせていただきました。御協力いただきました同門の先生方、本当にありがとうございました。これからは「1年毎の追跡調査」と「急性増悪時の調査」が主体となります。本研究は、喫煙関連呼吸器難病(COPD,間質性肺炎)の福岡県における実態調査を前向きに行う初めてのコホート研究です。同時に病因や急性増悪の解明を目的としたバイオマーカーの探索や遺伝子探索も行う非常に価値の高い臨床研究です。膨大な量の血液サンプルや遺伝子サンプルを提供いただくことができており、全国的に見てもこれらの検体は垂涎の的なっております。同検体を用いた研究につきましても、是非一緒に研究させていただきたいと思いますので、遠慮なくご連絡いただけますと幸いです。詳細は当研究のウェブサイトにも記載しておりますのでご覧いただけますと幸いです(http://www.hai-seikatsu.med.kyushu-u.ac.jp/)。
この研究を意義のあるものにするためには、毎年の追跡調査と、急性増悪時の調査が極めて重要ですので、重ね重ねよろしくお願い申し上げます。

肺損傷・線維化

肺損傷・線維化における細気管支上皮細胞に着目した研究、肺胞上皮細胞のアポトーシスに着目した研究は論文を投稿中です。またEGFR ligandであるamphiregulinによる急性肺損傷マウスモデルの抑制効果に関する研究についても、論文投稿中です。ゲフィチニブによる薬剤性間質性肺炎は日本人に多いことが知られており、間質性肺炎や肺損傷には遺伝的背景が存在すると推測されおり、肺の生活習慣病コホート研究で得られた遺伝子を使用して「日本人の間質性肺炎における遺伝的背景の探索」の研究を開始しています。その他、これまで我々が行ってきたHMGB1と間質性肺炎・肺線維症との関連につきましても、そのメカニズムについての仮説を立て、それを明らかにすべく研究を開始したところです。また、近年の腫瘍免疫の研究はめざましいものがありますが、免疫チェックポイント阻害薬による薬剤肺傷害が起こる機序はわかっておりません。現在、BAL液のフローサイトメトリーの解析を始めており、EGFR-TKIとナフタレン傷害マウスモデルを使用した研究も開始しております。

感染症

ナフタレンとゲフィチニブによるマウスの急性肺障害モデルにおける好中球エラスターゼの役割について病態解明に関する研究の論文を準備中です。また、急性肺傷害におけるHMGB1-トロンボモジュリン系の役割と、実際に肺内での働きに注目した研究を行っております。HMGB1はマウス敗血症モデルで重要な役割を果たしていることから再注目を浴びた物質ですので敗血症によるARDSとの関連の一端を明らかにできる可能性があると考えております。基礎的研究では、ゲノム解析を基盤とした細菌の研究を開始しており、非結核性抗酸菌の研究については迅速発育菌の中で治療反応性の良好なM.massilienseと治療抵抗性であるM.abscessusとの鑑別が可能な同定法を開発しつつあるとのことで、これからの成果を楽しみにしています。

おわりに

「びまん性肺疾患は難しい」という声を耳にすることが多いこともあり、「初歩から学ぶびまん性肺疾患セミナー」という新しい研究会を、3年間で計5-6回、開催することとなりました。1回でも勉強になりますが、通して参加いただくことでより実力がつき「びまん性肺疾患は難しい・・・かもしれないが面白い」となるよう考えたプログラムを組んでおります。第1回は2017年2月4日土曜日に開催予定です。皆様お誘い合わせの上、是非ご参加いただけますと幸いです。
最後になりましたが、これからも同門の先輩方のご指導、ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。