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肺癌研究室

研究活動

臨床研究

進行肺癌に対する薬物療法の治療成績を向上し、新たな標準治療を確立するためには科学的・倫理的に妥当な臨床試験の積み重ねが必須です。当科における肺癌治療はエビデンスに基づいた最良の治療を提供することはもちろん、さらに良い治療方法を確立するために多くの臨床試験を実施しています。JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)、WJOG(西日本がん研究機構)及びLOGiK(九州肺癌研究機構)の主要施設として多くの臨床試験を主導するとともに、多施設共同試験に積極的に貢献しています。また、新規分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などの多くの新薬開発治験に参加するとともに、アカデミア発の新薬開発としてARO次世代医療センターの支援のもと医師主導治験にも取り組んでいます。

基礎研究及びトランスレーショナルリサーチ

肺癌研究室では大学院生の先生方を中心に様々な基礎研究やトランスレーショナルリサーチに取り組んでいます。肺癌の新たな治療ターゲットとして注目されている免疫チェックポイントに関わるPD-L1の発現が活性変異型EGFRALK融合タンパクによる細胞内シグナルで制御されることを見出し報告しました。さらに他の免疫チェックポイント分子に発現制御機構についても研究を進めています。また実際に免疫チェックポイント阻害剤を投与された患者さんの臨床検体において集簇してくるリンパ球の免疫学的な解析しています。また癌幹細胞を標的とした治療開発を念頭におき、癌幹細胞マーカーの一つであるCD44 variantsによる肺癌細胞におけるレドックス制御機構について解析を進めています。さらに次世代シークエンスやデジタルPCRなどの新たなテクニックを用いて、より高感度にドライバー遺伝子変異や耐性変異を検出出来るシステムを構築し、臨床検体を用いた解析を進めています。とくに血液検体を用いたLiquid Biopsyの臨床的有用性の検証に力を入れ、多施設共同試験として前向きに臨床検体を収集しており、その解析結果が期待されます。肺癌研究室では毎週火曜日18時より教員と大学院生とで抄読会及び研究室meetingを開催し得られた実験データを皆で吟味し、どのように次のステップに進むべきかを検討し、日々の臨床での疑問点を解決すべくテーマを考え、研究を進めております。また、多くの先生方が、九州大学生体防御医学研究所などの基礎研究室で研鑽を積まれております。自分たちの研究の位置づけを国際的な座標軸から見ていくことも重要なことであり、これまでも肺癌研究室からは多くの先生が学位取得後には海外留学を経験されています。
 肺癌研究室では若い先生方の将来展望や希望に合わせて研究テーマや進路を相談していますので、お気軽にご相談ください。

おわりに

進行肺癌は未だ予後不良の疾患ではありますが、ドライバー遺伝子を標的とした分子標的治療や免疫チェックポイント阻害剤などの導入によりその進歩は目覚ましく、まさに日進月歩の領域で様々な研究テーマが満載です。肺癌研究室では基礎研究、臨床研究そして両者を繋ぐトランスレーショナル研究をバランスよく推し進め、研究成果を恒常的出していけるよう精進して参ります。将来の呼吸器科を担う若い先生方にも是非興味を持っていただき、ともに肺癌の治療成績を改善すべく邁進しましょう。